2017-07

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Vol.8 さよなら、東子。

一番いいのは、東子が自分から蓮に愛想尽かしをすることだ。
どうせ、携帯電話の着信拒否なんてしていても埒があかない。
まずは、わざと客とのお持ち帰りを頻繁にして、明け方やとっくに日が昇ったころ、疲れきって帰る。
東子の前で、客に営業の電話をかけ、甘い言葉をささやく。
当然、東子は不審に思うだろう。
俺がこんなオトコだってわかれば・・・東子だって、俺が初めてのオトコってわけでもないんだから。
それから、多少泣きが入っても、絶対に別れよう。
蓮は、あらかたそんな筋書きで東子との別れを演出しようとしていた。

筋書き通りに、蓮の行動が始まった。
ところが、東子は笑っていた。
「蓮も、随分と仕事に熱心ね。」
そんなことを言って、蓮に微笑む。
「初めだけさ、そんな笑っていられるのなんて。」
思うように東子が動いてはくれないと知った蓮は、次第に暴力までふるうようになっていった。

「どうしておまえは、へらへらと笑っていられるんだよ!」
「そんなことないわ。笑ってもいないし、蓮の思い過ごしよ。」
「いや、東子。おまえ笑ってるよ。俺に殴られながら笑ってるよ!」

悲しそうに蓮を見つめて、やはり東子は微笑んでいる。
あくまでも蓮を信じる東子に、蓮はイライラしていたんだろうか。

「おれに、愛想を、つかせよっ!」
「おれは、こういう、オトコなんだよ!」
「誰のことも、愛せないんだよ!」
「笑って、俺にへつらう、お前がいやなんだよ!」

壁際に追い詰められ、身体を丸めている東子を、蹴って蹴って・・・。
「それでも、あなたを愛してる!」
東子は絶叫したと同時に、意識を失った。
がくがくと顎を震わせながら、蓮は目の前が真っ赤に染まっていくのが見えた。
東子が、東子が死んでしまう!
蓮は、動かない指を無理やり動かして、「風花」の杜萌に電話をかける。
思うように番号がプッシュできない。
それでもやっと杜萌に電話が繋がったとき、蓮は泣いていた。
「杜萌さん!東子を、助けて!」
東子を傷つけながらも、蓮は自分自身をも鋭い棘で傷つけていた・・・。

東子は迎えにきた杜萌の車で、救急病院へ運ばれた。
階段から落ちたという杜萌の説明に、医師は不審そうな顔をしていたが、目を開けた東子自身がそれを認めたため、何も言わず入院の手続きをしてくれた。
入院は3日ほどだったが、退院の時にまた杜萌が迎えに来ただけで、蓮は見舞いにもいかずじまいだった。
東子を傷つけた蓮が、どの面下げて東子に会いにゆけるのか。

そして、東子の傷ついた心も身体も、ガラス細工のように砕け散るときが来た。
退院して確かに杜萌がマンションまで送っていったにもかかわらず、それから東子は忽然と姿を消した。

それが10月のことだった。
東子がいなくなってから1週間ほど経ったころだったか、「風花」に蓮を訪ねてきたひとりの中年女性がいた。
左目尻に泣きぼくろ。東子の母親だった。
東子の母親は、東子が中学生のときに父親と離婚して家を出たあと、再婚し、2児をもうけたという。だからといって、東子と疎遠になったわけでもなく、つかず離れず、東子が大学に入学し、独立して一人で住みたいと言った時にも、父親にそばに自分がいるからと掛け合って今のマンションを借りたらしい。

2週間近く東子と連絡がつかない、とマンションに寄って見ると、部屋は整理されてはいるものの、洋服類がほとんど見当たらない。
飾ってある写真立てには、ほとんど何も身に着けていない状態で、長髪の男と抱き合っている東子の笑っている写真。
母親にとっては目も背けたくなるような写真だったろう。
それでも、母親は知っている限りの東子の友達に連絡をとり、東子の居場所を知ろうとした。大学の友達で、東子といっしょにホストクラブに行った同級生から、蓮の話を聞いたという。

蓮は、東子の居場所などわかるはずがない、と東子の母親に言った。
では、わかったときには連絡を、と言って住所と電話番号を書いたメモを蓮に渡し、帰っていった。
「随分、あっさりと帰っていったもんだな。」
杜萌がくわえタバコで蓮に言う。
「やっぱり、いっしょに住んでない分、冷たいんですかねぇ」
「いや、蓮。それは違うぞ。」
「何がですか?」
「母親はどんなに離れていても母親。他に子どもがいたとしても、その子に代わる子どもも物もあるわけじゃないんだ。」
「そうですかねー。俺はそんなもん、信じませんね。」

東子と別れられたという安堵感と後ろめたさ。
今でも思い出す、左目尻の泣きぼくろ。

クリスマス近いこの時期に、あの東子の母親とすれ違うなんて・・・。
東子は何処にいるんだろうか。

● COMMENT ●

東子って・・・

東子もかわいそうだけど、蓮もまたかわいそうですねぇ~。気持ち的に病んでるみたいで(T_T)

確かに・・・!

たとえ合コンから知り合ったカップルだとしても、自分が信じれば愛は育つもの。→と信じてるんだけどな。
でも蓮はやっぱり生来の気質もあるし、環境がそうさせているということも・・・
東子も一途だけど、それが重荷になることだってあるよね。

はぅ。。。。

重苦しい雰囲気になってきたねぇ~。。。w
東子の行動も 怖い。。。。w
(((((( ;゚Д゚)))))ガクガクブルブル

そうだね~

どんな行動をとったとしても、結局根底に愛があると思うと、一概には非難できないような気もする。
でも、やっぱり絶対に人を傷つけちゃ( ̄× ̄)b NG!!

ひ~~ わたし どうなるの~?
て、おじゃまいしたしましたわよ^^

とうこたん?
ここって一度Name入れればあとはクッキーで反映されるんだけど、初めてサンは名前が出ないんだよぉ(。・w・。 ) ププッ

そうね~とうこたん、どうなるんだろ。
σ(´ω`*)も心配になってきたww

ただいま♪

展開が予想出来なくていいねぇ♪


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