2017-07

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苦しい塊。

初七日、二七日、三七日・・・と順繰りに日々は過ぎていき、アタシも、母の日常も、ずいぶん落ち着きを取り戻している。

月初めに、葬儀のため1週間も休んだせいで、月末の申告が厳しくなってきて、この三連休は公休出勤と残業で明け暮れた。
そういえば、1週前の三連休も公休出勤したのだっけ。


いつも気にかけてもらってありがとう!
yellは元気です。
でも・・・



日々は確実に過ぎていき、父が逝った悲しみも、いくらか薄らいできたけれど、反対にどんどん大きくなっていく胸の塊がある。

父が逝ったとき、父を車椅子に乗せてアタシが押していたということは、前にも書いたと思う。
実は、それについてはいろいろと考えるところがあり、その胸のもやもやとしたものは、だんだん硬い塊となって、アタシの心を押しつぶしていたのだった。

父の亡くなる一週間ほど前のことだったか、高熱を出した後から、父の生活は昼夜逆転したものになっていた。
アタシたちが傍に付いている昼間は、足のマッサージをしているからか、父もよく寝ていた。
父が昼間寝てしまうせいか、夜がいけなかった。
目が冴えてしまうのだ。

目が冴えているから、苦しさも2倍。
胸が苦しければ吸引してほしくて、ナースコールを押す。
あまり動けないので、寝返りを打ちたければ、ナースコールを押す。
食事も摂れず鼻からチューブを入れて直接胃に栄養補給をしていたので、口があんぐりと開いたまんま。喉が渇くから、唇をしめらせてほしいと、ナースコールを押す。

それが頻繁だと言って、看護師から毎日のように叱られていた。
父も叱られるけど、アタシたち家族にも、昼間は寝させないでくださいと、きつい言い方で叱られた。

確かに、患者は父だけじゃない。
もっと具合の悪い人もいるだろうし、頻繁にナースコールされて、本当に迷惑だったのだろう。

父の亡くなる日、その日は、きつい言い方が気になる看護師の当番の日だった。
手馴れた看護をする看護師だったが、患者に対する接し方は、優しいとは言えない。
その看護婦が言ったのだ。
「昼間に寝てしまうから、車椅子で散歩させてください」と。

アタシは単純に考えた。
天井ばかり見ている父が可哀想。
車椅子に乗れるのならば、たとえ病棟の中だけだったとしても、景色も眺められるし、何よりエアコンの風以外の自然な空気の中で散歩したら、父の天井を見ているようでどこか幽体離脱しているような表情が、少しは和むかもしれない。

肺の痰を吸引し、オムツを取り替えてもらってサッパリし、いつもはストレッチャーでしか動けなかったその身体を、看護師二人がかりで車椅子に乗せてもらった。

「どれくらい散歩したらいいですか?」
アタシの問いに、看護師が答えた。
「2,30分、病院の中を歩いてきてください」

さぁ、お父さん、久し振りのお外だよ。(と言っても、病院の中だけどね)

3階の病室からエレベータで1階の外来まで降りていって、ゆっくりゆっくり父に話しかけながら歩いた。
「おじいちゃん、壁に看護師さんたちが描いた絵手紙があるね」
「ほら、外の景色が見えるよ。今日はちょっと風があるから外には出られないね」
「お休みの日の外来は静かだね」

どの言葉にも、父はうつむいた顔をほんの少し動かして、「うん」というように頷くだけだった。

外来を一回りし、二回り目に壁に油絵が何枚かかかっている廊下で、
「おじいちゃん、また絵があったよ」とアタシが話しかけた。

返事は、ない。

車椅子の前に回って、
「どうした?」と覗き込むと、父は先ほどまでと同じ体勢、同じ表情で黙っている。

唇に、散歩する前に栄養チューブで点滴していたらしい液の色をした、涎のようなものが少し。

「あれ?」とは思ったけど、肩にかけておいたタオルでそっと拭いて、また後ろに回り、車椅子を押した。

2,3歩歩いたところで、何か変!と胸騒ぎが。

もう一度、車椅子の前に戻り、父を覗くと、今度は鼻からもその液体がほんの少し滴っていた。

急いで、エレベータに乗り、3階のナースセンターに向かう。
3階に着いたところで、看護師の一人が声をかけてきた。
「あら、お散歩?いいですね」

気が急くアタシは
「なんか、変なんです!父が変です!」

父の顔を覗き込んだその看護師は、あわててナーセンターに車椅子を押しながら走った。
それからは、何がなんだかわからない世界・・・

ナースセンターにいた沢山の看護師が、空き部屋に父を入れて、バタバタと走り回り・・・
その間、アタシには何の説明もなく・・・

父が入れられた部屋の前で、アタシは成す術もなく、ただ立ちすくんでいた。


部屋から看護師が出てきて、
「ご家族がいらっしゃるのに、何分くらいかかりますか?」と訊かれたときには、
「ああ、もうダメなんだ・・・」
やっぱり・・・という気持ちしかなかった。

それから母や兄やかんちゃんに連絡し、みんなが着いたときには、父の心臓は止まっていた。
あとから聞いた話では、アタシが慌てて連れてきたときには、呼吸は止まっていたものの、心臓はまだかすかに動いていたらしい。
ただ、アタシたち家族としては、人工呼吸器を着けたり、電気ショックや心臓マッサージなどをして、辛い時間を長引かせることは選んでいなかったので、結局あのまま逝ってしまったのだ。


アタシがこだわっているのは、この父の亡くなり方じゃない。
アタシが看護師に促されて、家族に電話連絡をしにも元居た病室で電話をかけようとしていたとき、あの「車椅子散歩」を勧めた看護師が来て、
「ごめんなさいね、散歩をさせてくださいなんて勧めて・・・」
と言ったのだ。
その時は、反対に、暗いベッドの上でなくて良かった、って素直に思っていたから、
「いいえ。返って良かったんです。景色を眺めて、風を感じて、父もそうして逝ったのだから、良かったんです」
って答えたんだ、アタシ。

そうしたら、その看護婦が更に言った。
「責任・・・感じないでくださいね」

・・・!?
どういうこと???

アタシに何か責任ってあるの?




その時の看護師とのやり取りが、アタシには胸のつかえとなって残ってしまった。
それは、時間がたてば経つほど・・・

どういう意味で、その看護師がアタシにその言葉を言ったのかはわからない。

それとも・・・
担当医の先生は、ストレッチャーでしか動けない父が、車椅子に乗っても大丈夫だと、許可していたのだろうか。
何本ものいろんなチューブをつけて寝ているだけの患者が、車椅子に乗って、こういう急変があるということを看護師は気がつかなかったんだろうか。

看護のプロでないアタシにはわからない。
また、アタシたち家族は、このことを確認するつもりもない。
ただ、看護のプロが勧めたことにしたがって、散歩をさせたら急変してしまった事実は・・・少なくともアタシが責任を感じることではないと思う。

しかし、苦しい。
アタシの胸に、もやもやした塊がどんどん硬く大きくなって、アタシを苦しめる。

● COMMENT ●

そういった状況での最期だったんですね お父様

そういった状況での車椅子なんですね?
アタシも乗せていいものか 迷うと思います。
ストレッチャーの状態の人を 車椅子って

yellたんは 責任感じる必要は全くないと思います!
勝手に乗せて 連れ出したのならまだしも
看護士さんの指示の元だったわけですし


そんな風に気を煩わさずを得ない yellたんを思うと
恵美ママも辛いです

きっと、その看護士さんは 責任転嫁の自己防衛で仰ったんでしょうね?
若しくは 要らぬ気遣い?

といっても その場に居なかったので 言い切れませんが・・・

何気に吐いた言葉が、相手の心に残る。それほどの深い意味を持ってしゃべっていないのに、自分では、言ったことさえ覚えていないこともあるのに^^;

でも、時間が解決してくれる。いろんなことを忘れさせてくれる時間というものがなかったら、人は、生きていけないよね^^

最近「鈍感力」という言葉がはやっているけれど、いろんなことを受け取れる広い心。なかなか持てない(^^;)

エールたん・・・

なんか 記事読んでたら 無償に腹が立って来た!
なんじゃ その看護師!!
病院に聞いた方がいぃのかも??

エールたんが責任感じる事なんか 
何もないって!!

お父様の苦痛が少しでも小さいように、
そう、願う気持ちを、打ち砕くようなお話ですね。
そして、見送られたご家族を苦しめて。。。

yellたん、抱きしめたいよ。

yellさん、はじめまして
大変な時期にコメントくださって
ありがとうございます。

皆さんが書かれている通り
yellさんはちっとも悪くないと思いますよ!

お父様がお亡くなりになってしまったのは事実ですけれど
すべての責任を感じる事はないと思います。

元気出してくださいね。

松さんもおっしゃっていましたが、
その看護士の方も、その「言葉」がどんな重いものになるかは、考えて発言したのではないと思います。

yellさんのように、私も重い気持ちで受け止めてしまうと思いますが、
おそらく、慰めの言葉のつもりだったのではないでしょうか?
自分が薦めた「散歩」が原因だったとyellさんが思うのでは・・・と、
少なからず、その看護士さんは考えたはず。

だから、誰のせいでも無いんですよ。
と、自分のためにも、yellさんのためにも、
いいたかったのでしょう。

答えの出ない問いは堂々巡りをするだけです。
だから、ちょっとでも、光を見出してください。

看護の仕事は慣れると無神経になることもありますが、
患者さんをあえて悪くしようとする人はいないでしょう。
基本的には人の命と向き合うハードなお仕事です。
看護士さんもお父様の死には、痛みを感じていると思われますよ。

どうぞ、少しでも、楽になれますように。
祈っております。

お父様。

yellたんは 悪くない!

お父様も きっとわかってると思います。
誰もが迎える人生の最後を 大事な子供たち家族と
過ごせた事。本当に幸せな人生だったと・・・

yellたん。元気出してね

NoTitle

幸せな人生だったと・・・
そう思っていたと信じています。

ありがとう。
アタシはもうすっかり元気になったよ。


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