2017-08

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vol.24 幸せの条件。

rikyu.jpg
「沢村さん、座ってください。」
ドアをノックして診察室に入った蓮に、白衣のメガネをかけた医師が声をかける。
蓮は先週この病院を受診し、血液検査をした。
その結果が、今日わかるのだ。

蓮が丸椅子にすとんと腰をかけると、カルテに何やら書き込みながら、医師が言った。
「沢村さんの先日の血液検査の結果、白血病の疑いがあることがわかりました。」
意外にあっさりと、その宣告はなされた。

この医師は何を言ってるんだろう?
白血病?はぁ?
俺が?
白血病って・・・?

「それでですね・・・」医師が続ける。
こいつには、患者の心の準備をさせる余裕はないんだろうか?
頭のいいやつほど、自分と同じレベルで相手にものを言うんだよな。ふん!

「詳しく診断するための骨髄穿刺を行いますから、予約入れましょう。」
なんだよ、それ。
もっと噛み砕いて話せよ。
何言ってるのかわかんねえよ。

蓮は朦朧とした意識のまま、メガネの医師がてきぱきと看護婦に指示を出したり、机の上のコンピュータを操作して予約を入れたりするのを、ただぼんやりと見ていた。
ハンコを押せだの、次は受付でこれこれを提出しろだの、よくわからないまま時間が過ぎていった。

そして・・・気が付いたら、自室のベッドに横になっていた。
一日があまりにも早すぎた展開で、目が回ってるのかな、俺。
蓮はじっと目をつぶったまま、このまま本当に白血病で逝ってしまうのじゃないんだろうかという不安に、かぶりを振る。
携帯の着メロが鳴っている。
尾崎豊の「I Love You」だ。
この着メロはろず専用だった。
けれど、今日は出たくない。
ろずとも、誰とも、話したくない。
蓮は携帯を枕の下に押し込んだ。
そして頭を抱え込んで、猫のように丸まって震えていた。
俺は弱い人間なんだ。
こんなんじゃ、ろずを両手を広げて迎え入れたりできない。
どうしてこんなことになっちまったんだろう。
いつも・・・いつもだ。
なにか俺にチャンスが訪れて、ちょっと後ろを振り返ったりしていると・・・気が付けば奈落の底。
俺は・・・幸せになっちゃいけないのか?


翌朝、携帯の着メロで目が覚める。
どうやら夕べは本当に子猫が毛布に丸まるように、窮屈な姿勢のまま眠ってしまったらしい。
異様に痛みの残る首を押さえながら、蓮は携帯を取り上げた。

「はい・・・もしもし?」
「沢村様ですか?駅前不動産ですが。おはようございます。」
「不動産屋さん?」
もう職場が動き始める時間なのか・・・サイドテーブルにのった時計を見ると、すでに10時をまわっていた。
何時間眠ったかわからないが、どんなに眠っても疲れがとれることはなかった。
それだけ体が参ってるんだな・・・あれほど眠れない夜を、睡眠導入剤を飲みながら過ごしていたのに。
いくら「白血病の疑い」と言われても、自分にとっては「白血病だ」と言われたに等しい。

「・・・で何か?どこかありましたか?出物でも?」
「そうなんですよ!今日どうです?見られますか、店のほう。」
「・・・ちょっと、体の具合が悪くて・・・」
「あ~沢村さん?実は他にも頼まれてましてね。そちらに紹介してしまってもよろしいでしょうかね?」
「あ・・・いや、それは・・・」
「ですからね、出来ましたら今日お見せしたいんですよ。」
「うーん・・・わかりました。しばらくしたら伺いますよ。」
「はい!お待ちしてますよ。」

ちっ!強引だな。
この不動産屋、よそからも頼まれているかどうかは眉唾ものだが、もし本当だったら良い出物を逃すことにもなりかねない。
仕方がない。行くほかないだろう。
横になっていたいのを無理に起き上がり、シャワーを浴びに浴室へと向かう。
熱いシャワーを浴びながら、蓮は思う。
このまま俺が死んでしまったら、「あすなろホーム」はどうなるんだろう。ろずは洲と暮らせるんだろうか。
店なんて買ったとしても、なんの為に・・・!?

蓮は死ぬことの恐怖より、今まで積み上げてきたものが無になる恐怖のほうが大きかった。

俺は・・・俺はどうなるんだ!?


● COMMENT ●

Σ(・ω・ノ)ノ!!

蓮。。。白血病なの??
Σ(`∀´ノ)ノ アウッ 。。。。。w

Σ(´Д`;) うあ゙

急展開ですな。。。

もう 骨髄バンクに登録しようかと思ったしまった。・゜・(。´ノω・`)。ウウゥゥ
かわいそう いくらまだ可能性だからといってもひどすぎる~

(ノ´▽`)ノオオオオッ♪

どうなる、蓮!?そして、どうなる、ろず!?

白血病!!どうなるのかな?頑張れ蓮。

白血病には負けないで!蓮

ありがとうw

って言うか。。。あたしがお礼を言ってどうする?
ご本人、ただいま無菌室にて闘病中です。
病室からブロガってる彼に、伝えておきます。
蓮、頑張ってますよ。愛する者たちのために・・・


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